アフガニスタンと絨毯 その2

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アフガニスタンでは、カラクール羊が全土で飼育されていることを前回説明いたしました。
カラクール羊の写真です。

さて、ここから羊の毛刈りを行ったあとに、ウールはクオリティごとに選別されます。
そしてその選別されたウールを洗浄して男性、女性の労働者が手で紡いでウールの毛糸玉をつくります。これは大変な作業です。しかしながら現在でも手紡ぎのウールは今でも紡がれています。

アフガンの絨毯は、染色プロセスに天然染料を使用しウールを着色することを続けています。
彼らは特定の色を生み出すために昔から使われている天然染料にこだわり、それぞれの天然染料の独自の配合を厳重に守ります。媒染剤は染料が羊毛に付着するのを助けます。使用される主な媒染剤は、ミョウバンと大麦に酵母など混ぜ込んだものの混合物です。糸が発酵するまで、この混合物を釜にいれてウールの糸玉を 5 ~ 10 日ほど煮ます。次に染料となる原料を加えて、染色を行います。

アフガニスタンの絨毯で有名な「赤色」は主に植物のアカネ用いて赤に染めます。根の樹皮はバラのようなピンク色の染料を作り、アカネの内側の芯は糸を赤褐色に変えます。クルミの皮、ザクロ、麦わらも、天然染料として使用されます。クルミの皮は羊毛をこげ茶色にします。ザクロと麦わらでは、さまざまな色合いの薄茶色が生まれます。全ての分量は独自の配合で行われています。

アカネ染めは古くから日本にも存在しています。
その名前の通り、根が赤い事から〔あかね〕と名が付きました。この根は、浄血、解毒、強壮の作用があるとされ、更には、日本で最も古くから使われた赤系の染料で、日の丸の赤はこの染料で染められていました。こちらのサイトからの引用です。(https://maitokomuro.com/naturaldye/madder-dye/

通常、カーペットを織るのは女性です。
彼らは方眼紙を使って新しいデザインを織っていきますが、古典的なデザインやトルクメン (中央アジア発祥の民族グループ) らは昔から受け継がれた記憶で織っています。

通常は織工 1 人あたり 75 cm (約 30 インチ) の幅が割り当てられます。
一平米織るために約1ケ月かかります。このような工程を完了した後に洗浄と検品が行われて私たちの住む日本へやってきます。

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