アフガニスタンのガズニーウールとは

アフガン絨毯の素材となるガゼニウール（ガズニーウール）はアフガニスタンの高級なウールとして知られています。

ガズニウールと呼ばれるためには、アフガニスタン産のウールでなければならず、さらに重要なのはガズニー地域のウールであることです。

ガズニーウールをアフガン絨毯に使用すると美しい手触りと艶がでてきます。

ウール織りの絨毯は、家具を置く、または人間が幾度となく踏み圧迫されても、それを跳ね返す力があることでよく知られています。 ウールが劣化することなく元の長さの30％まで伸ばすことができるので、摩耗や破損にも強いのです。

また、ウールの絨毯は化繊の絨毯と異なり燃えず、断熱性と吸音性に優れ、化学繊維の数千倍の柔軟性と耐久性があります。 加えて、繊維の一本一本をコーティングしているラノリンのおかげで、合成繊維よりも30％も汚れにくいのです。

これらの理由からアフガン絨毯をはじめとしたウールで作られたカーペットは何百年も使用することができます。

かつては帝国の首都として有名でしたが、アフガニスタンのガズニー州は現在、高級な羊毛でよく知られています。

カーペットに最適なこのウールは、可能な限り純粋な白の色合いで、天然染料で染色すると白地のキャンバスへ油絵を書くように柔らかで美しい色に染まります。

なぜなら、ガズニー州には豊かな緑の牧草地が広がっており、その牧草を食べることによって大変艶のあるウールが成長するという大地の恵みがあるからです。

もし、乾いた土地にひ弱な牧草しか生えていない土地ですと、ウールに艶や油分がなく、バサバサとした毛質になります。

一旦、刈り取られたあとに、人間の手でウール糸（毛糸玉）を紡いだあとに、羊毛はできるだけきつくねじられます。次に染料に浸し、そのねじった張りによって染料が完全に浸透するのを防ぎます。

このプロセスによって生み出される効果は、ウールの先端に向かって色の強さを増していくという点です。

「アブラジ」または「アブラッシュ」として知られる効果を生み、色の均一性の欠如（日本では色むらと言われます）は、不完全であると見なされるのではなく、世界的には美的な価値として完成品の美しさをより一層増すと見なされます。

カーペット製造プロセスの40％がウールに依存していることを考えると、その品質は非常に重要です。

ウールが柔らかいほど、織り方や結び方が簡単になりほとんどの場合女性である織工は、指の間を簡単に滑る柔らかいガズニウールを使って作業することを楽しんでいます。