アフガニスタン絨毯の文様 サロール族

サロール絨毯資料1 ブログ

サロール織物の保守性とソグド文化の影響

サロール織物に見られるデザインは、10世紀以降ほとんど外部の影響を受けず、主に高度なソグド文化が栄えた紀元1千年紀のデザインを維持しています。他のトルクメン諸部族、特に南西トルクメニスタンのヤズィール族やヨムド族織物がさまざまな外部影響を受けているのに対し、サロールのデザイン伝統は非常に保守的である点が注目されます。

研究によれば、サロール族のカリ (khali)と呼ばれる織物デザインは、400年もの間、わずかな細部の変更を除いてほとんど変わらなかったことが分かっています。サロール族はカリに単一のフィールドデザインを用い、主要デザイン、副デザイン、そして枠のデザインも一貫して同じものを使用していました。一方、ヤズィル族やヨムド族では、12種類以上の異なるフィールドデザインが存在し、副デザインにも多種多様なバリエーションや組み合わせが見られます。

ケムチェ・ギュル

また、他の多くのトルクメン族で非常に人気のあった「新しいケムチェ・ギュル (chemche gül)」は、サロール族では採用されていません。

ミニ・チュバル・ギュル (mini chuval gül)

その代わり、サロール族は常に10世紀以前に遡るチュバル・ギュル (chuval gül)に基づいた副モチーフを使用しました。このモチーフは後に「ミニ・チュバル・ギュル (mini chuval gül)」と呼ばれるようになります(図15)。

ミニ・チュバル・ギュル

さらに、ソグディアナやササン朝の絹製品にも、この「ミニ・チュバル・ギュル」に驚くほど似た副モチーフが見られます(図14)。これが「ミニ・チュバル・ギュル」の原型だった可能性が示唆されています。

左図サロール絨毯1800~1900年代 右図1900年代 ほとんどデザインの変化がないと理解できます。

参考資料 turkmen_carpets_a_new_perspective_volume2

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