アフガニスタン絨毯のホジャロシュナイとは

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図1 カブールの工房から送られてきたホジャロシュナイのデザイン画

図1の写真はカブールの工房から送られてきたホジャロシュナイのデザイン画です。古びた小さなパソコンでデザインしたものを印刷して織り子さんへ渡し、色の指定など行うのでしょう。

アフガニスタン絨毯のホジャロシュナイとは・・・。
アフガン道では多くのホジャロシュナイを販売しています。それはアフガン絨毯のデザインの名前であり、ホジャロナイとも呼ばれたりします。今回、わたしも時間を見つけて少しづつ読んだ書籍やウズベキスタンのブハラに住む絨毯商人に聞いた話しなどをまとめてみたいと思います。

そもそも「ホジャロシュナイ」または短く読んで「ホジャロナイ」とはなんぞや?と思いますよね。絨毯のデザインの名前であることは理解しています。でも、どうしてこの名前なのだろうという疑問がわいてくるかと思います。そこで、ブハラ(ボハラ)(BUKHARA)で絨毯店を開いている知人に聞いてみたところ、このような回答をもらいました。

これはブハラデザインのアフガンラグです。あるいは、トルクメンのデザインとも呼ばれます。ブハラは古代の都市名で、敷物で有名でした(トルクメニスタンも14-17世紀にはブハラの一部でした)。ブハラ絨毯はアフガニスタンで織られることが多く、ホジャロシュナイという名前はアフガニスタンの地方の名前に関係するのかもしれません。

また、武蔵野美術大学美術資料図書館発行の[アフガニスタンの絨毯] 花曼荼羅の世界 より (こちらのカタログはとても見やすく綺麗な写真とアフガン絨毯が配列されています。)その中から

 p 30 抜粋

サマンガン州 1780*1000mm

通常マウリ絨毯と呼べるものは、織り目の細かい絨毯を呼ぶ時と、ブハラ(ボハラ)意匠の中のマウリ•グルを指す時の二通りである。この絨毯の場合は二重の意味でマウリ絨毯といえる。マウリ・グルとは一個の大きさが8cmから10cmぐらいである。

武蔵野美術大学美術資料図書館発行の[アフガニスタンの絨毯] 花曼荼羅の世界

上記の解説を読むと・・・・
1 「マウリ」絨毯は「高品質で織りの細かいもの」という意味を持つ。
2 ブハラ(ボハラ)意匠の中のマウリ•グルを指す。

あれ?そうであれば「マウリ」絨毯には他にも高品質で織りの細かいデザインの絨毯も含まれているの?という疑問である。
答えは下記写真をご覧くだい。ORIENTAL RUGS volume3 The Carpet of AFGHANISTAN より

これらは全て「マウリ」絨毯になります。わたしも勉強になります。

ブハラ(ボハラ)意匠(デザイン)の中のマウリ•グルとは?それがコレ↓これもORIENTAL RUGS volume3 The Carpet of AFGHANISTAN より

つまり、「マウリ」絨毯とは、「高品質で織りの細かい」絨毯の総称であり、デザインも様々ある。その中でブハラ・デザインを細かく織ったものも「マウリ・ブハラ」絨毯と言えるということではないかと思われる。
ややこしい~~~。
「マウリ・ブハラ」絨毯の中でも「ホジャロシュナイ」または「ホジャロナイ」は圧倒的な織りの細かさであることは間違いない事実である。

また、よく聞く話しとして、「ホジャロシュナイは、ロシュナイさんがつくったオリジナルデザイン」という説もあります。

どちらの説にしても、見た目の美しさとフィールドの小さなグル(ギュル)は、定規を置いて計測する写真をみて分かるとおり1個あたりの直径が5CM~6CMほどの細かなデザインであることは確かです。ホジャロシュナイが世界中で人気があるのは、やはりこのバランスのとれたデザインと、それを織るアフガニスタン人の労力の結晶だと思います。私も初めてホジャロシュナイを手にしたときは感動しました。馬の濡れた肌のような艶とウールの質感に感動したのを今でも覚えています。

それでは、ホジャロシュナイ(ホジャロナイ)の考察を終えたいと思います。わたしも分からない事がたくさんあるので今後もいろんな本から勉強してゆきたいと思います。

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