北アフガニスタンのクンドゥーズ。
かつてこの町のバザールには、遊牧民や農民、商人たちが集まり、家畜や毛皮、食料、生活用品など、さまざまなものが行き交っていました。
今回、松井健氏の『西南アジアの砂漠文化』を読みながら、そのバザールの姿を復元図として描いてみました。


松井健氏によれば、クンドゥーズには家畜の売買をはじめ、さまざまな商品を扱うバザールがありました。牧民たちは、カラクル毛皮や家畜、フェルト製の絨毯、チーズ、さらに他地域のバザールで購入した特産品をここで売り、その一方で越冬用の飼料や食料品を購入していました(松井健『西南アジアの砂漠文化』人文書院p.75)
市場で取引されていたのは家畜だけではありません。暮らしを支えるさまざまな織物も、人々の生活に欠かせない品々でした。その一つが、私が以前から興味を持っていた「パルダ」です。パルダは、遊牧民のテントの扉や間仕切りとして使われてきた、美しい手織りの絨毯です。
幸運なことに、このようなパルダは現在もクンドゥーズに残されています。
クンドゥーズのパルダは、パキスタンを経て国外へ流出する前に、現地のネットワークや依頼によって国内で取引されることが多いと聞いていました。そのため、市場に出回る機会は決して多くありません。
今回は、私がお付き合いしている工房オーナーが、友人ネットワークを通じて、このパルダをクンドゥーズで見つけてくれました。
動画でご覧ください。
パルダは遊牧民の暮らしの中で実際に使われてきた織物です。こうして現地に残る実物を見ると、かつてクンドゥーズのバザールで人々が売買していた光景が少し想像できるような気がします。
今回復元した市場の姿は、松井健氏の文献をもとにしたイメージですが、現地に残るパルダを見ることで、当時の暮らしがより身近に感じられました。
おわりに
一枚のパルダから、私はクンドゥーズという町に興味を持ち、文献を読み、地図を調べ、市場の様子を復元してみました。
アフガニスタンの手織り絨毯は、単なる工芸品ではありません。その背景には、遊牧民の暮らし、交易の歴史、そして人々が築いてきた文化があります。
アフガン道では、これからも絨毯だけでなく、その一枚が生まれた土地や人々の物語を、できる限り文献や現地の情報をもとにお伝えしていきたいと思います
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